ブログの更新をXで知らせたところ、表示回数はわずか6回でした。
「まずは、もっと多くの人に見てもらわなければ」
そう考えましたが、仮にアクセスだけが増えても、一度読まれて終わるなら、メディアが育ったとは言えないのかもしれません。
大切なのは、訪れた人数だけでなく、
「次の記事も読みたい」
と思ってくれる人を増やすことではないでしょうか。
そのヒントを得たのが、小阪裕司著『顧客の数だけ、見ればいい』です。
本書から、Daquo Lab.のブログ・SNS運用に取り入れたいと感じたのは次の3つです。
- 一度訪れた人と、信頼して戻ってくる人を分けて考える
- すべての人に届けようとせず、価値を感じる読者を明確にする
- 結論だけでなく、そこへ至った過程を伝える
この記事では、本書の経営論をそのままブログへ当てはめるのではなく、読者との関係を育てるという視点から整理します。
この本を読んだ理由
Daquo Lab.では、本から得た方法を仕事や生活で試し、その結果を記事にしています。
しかし、どれだけ時間をかけて記事を書いても、読者へ届かなければ読んでもらえません。
そこで現在は、ブログやSNSをどのように届け、育てていくかを考えています。
ブログを分析するとき、最初に目に入るのはPV、表示回数、クリック率、フォロワー数などの数字です。
これらは、記事がどれくらい届いたかを知るために必要です。
一方で、数字を増やすことだけを目標にすると、検索されやすいテーマや反応されやすい強い表現を優先しやすくなります。
それによって一時的にアクセスが増えても、「Daquo Lab.だから読みたい」と思ってもらえるとは限りません。
ブログを長く育てるなら、記事を見た人数だけでなく、読んだあとに信頼や関心が残ったかも考える必要があるのではないか。
そう考えて、本書を読み直しました。
『顧客の数だけ、見ればいい』は、売上や利益だけでなく、企業や店に愛着・信頼・共感を持つ「顧客」に注目する本です。
本書では、一度商品を購入した人や、繰り返し利用する人と、その店を選び続ける顧客を分けて考えます。
もちろん、店の顧客と、無料で記事を読むブログの読者は同じではありません。
それでも、
「一度読まれること」と「次も読みたいと思われること」は違う
という視点は、Daquo Lab.を育てるうえでも参考になると感じました。
一度のアクセスと、読者との関係は違う
本書では、店を一度利用した人、繰り返し利用する人、愛着・信頼・共感を持って利用する顧客を分けています。
この違いをブログへ置き換えると、検索やSNSから一度だけ記事を読んだ人、関連する記事にも進んだ人、Daquo Lab.の考え方に関心を持って再び訪れる人、と考えられます。
記事へのアクセスは、読者との最初の接点です。
しかし、一度読まれただけでは、その記事が役に立ったのか、サイト自体に興味を持ってもらえたのかまでは分かりません。
だからといって、PVが不要なわけではありません。
どれだけ良い記事を書いても、誰にも届かなければ、読者との関係は始まらないからです。
PVは、記事がどれくらい届いたかを知るために必要です。ただし、それだけでは、読者が次の記事も読みたいと思ったかまでは分かりません。
つまり、ブログを育てるときには、
記事を届けることと、その先の関係を育てることを分けて考える必要があります。
一度読んでもらう。
関連する記事にも進んでもらう。
その後、また訪れてもらう。
この流れをつくることが、単にアクセスを集めるだけではないメディアの成長だと考えました。
すべての人ではなく、価値を感じる読者へ届ける
多くの人に読まれたいと思うと、幅広い人に当てはまるテーマや表現を選びたくなります。
しかし、誰にでも当てはまる内容は、誰にとっても強く必要な内容にならない可能性があります。
本書では、すべての人を顧客にしようとするのではなく、自分たちが提供する価値に共感する人を大切にする考え方が示されています。
これは、あえて読者を減らすという意味ではありません。
誰に何を届けるのかを明確にし、その人にとって必要な情報を十分に伝えるということです。
Daquo Lab.が届けたいのは、本を読んでも仕事で実践できていない人や、効果があると言われる仕事術を試してもうまくいかなかった人です。
成功した方法だけではなく、
「なぜ自分には合わなかったのか」
「そこから仕事のどのような特徴が分かったのか」
まで知りたい人に向けて記事を書いています。
そのため、短時間で本の要約だけを知りたい人には、記事が長く感じられるかもしれません。
一方で、自分が試す前に、実践した人の記録や失敗した理由を知りたい人には、細かな経過も価値になります。
Daquo Lab.は、本の内容を短くまとめるだけのサイトではありません。
本から方法を選び、実際に試し、結果を振り返るサイトです。
この違いを明確にすることが、「Daquo Lab.だから読みたい」と思ってもらう第一歩になります。
想像した読者像だけで決めない
ただし、「このような人に読んでほしい」という運営者側の想像だけで、読者像を決めることはできません。
実際に検索された言葉、読まれた記事、内部リンクのクリック、SNSで反応された投稿から、どのような悩みを持つ人が訪れているのかを確認する必要があります。
記事数やアクセスがまだ少ない段階では、読者像を細かく固定する必要もありません。
発信しながら反応を見て、
「どのような記事が読まれたのか」
「その人は、次にどの記事へ進んだのか」
を少しずつ確かめていきます。
届けたい読者を決めることと、実際の読者を観察すること。
この両方が必要です。
結論だけでなく、そこへ至った過程を伝える
本書では、商品やサービスが生まれた背景や、提供する人の思いを伝えることで、共感につながると述べられています。
ブログでも、結果だけを短く伝えることはできます。
たとえば、
「Closed Listには効果がなかった」
「TimeBoxでは残業を減らせなかった」
と結論だけを示せば、記事は短くなります。
しかし、それだけでは、なぜその方法を試したのか、どのような仕事で使ったのか、どの条件でうまくいかなかったのかが分かりません。
同じ方法でも、仕事内容や職場環境によって結果は変わります。
Closed Listを試したとき、私は一日に取り組む仕事を限定すれば、仕事を時間内に終えられると考えていました。
しかし、実際には予定時間を超える日があり、重要度の低いタスクに時間を使ってしまうこともありました。
結果だけを見れば、「Closed Listは効果がなかった」で終わります。
一方で、実践の経過まで振り返ると、仕事を限定するだけでなく、所要時間の見積もり、突発業務を受け入れる余白、重要な仕事の選び方も必要だと分かりました。
この過程があることで、読者は、
「自分の仕事にも同じ問題がありそうか」
「この方法を試すなら何に注意すればよいか」
を判断できます。
体験談は、共感のためだけに書くのではない
自分の経験を記事に入れる目的は、親しみや共感を得ることだけではありません。
どのような条件で方法を試し、なぜその結果になったのかを伝えることで、読者が自分の状況と比較できるようにするためです。
そのため、Daquo Lab.では成功した結果だけでなく、期待した効果が得られなかった理由も残します。
何でも成功する人として見せるのではなく、本の方法を実際に試し、迷いながら改善していく過程を伝える。
その積み重ねが、記事への信頼につながるのではないかと考えています。
この本を読んで変わったブログの見方
以前の私は、ブログを成長させるには、まずアクセス数を増やす必要があると考えていました。
もちろん、今も記事を読者へ届けることは重要です。
しかし現在は、「何人に見られたか」だけでなく、「読んだあとに、どのような行動につながったか」も考えるようになりました。
BookNoteを読んだ人が関連するExperimentへ進む。
Experimentを読んだ人が、その後の結果も知りたいと思う。
複数の記事を通して、「本の方法を実際に確かめるサイトなのだ」と理解してもらう。
一度の記事で、読者から強い信頼を得ることはできません。
記事同士をつなぎ、読者が一つのExperimentの流れを追えるようにすることで、Daquo Lab.の特徴が少しずつ伝わっていきます。
ブログの成長を、一つの記事のPVだけで判断しない。
読者が次の記事へ進み、また訪れたくなる流れまで含めて設計する。
それが、本書を読んで変わった見方です。
今の自分から見た、この本の使いどころと限界
本書は、売上や短期的な集客だけでなく、顧客との長期的な関係を考えるきっかけになります。
一方、「顧客数を重視する」という考え方を、そのままブログへ適用することはできません。
企業の顧客と、無料で記事を読む読者では関係が異なります。
また、読者からの愛着や信頼を、正確な人数として測ることも困難です。
再訪、内部リンクのクリック、SNSのフォローなどは参考になりますが、それだけで信頼を判断できるわけではありません。
ストーリーを伝えれば、必ず共感されるわけでもありません。
自分の経験が長く続き、読者が知りたい情報へなかなか到達できなければ、体験談はかえって読みづらさにつながります。
記事へ経験を入れるときは、
この体験が、読者の理解や判断に役立つか
を確認する必要があります。
PVか信頼か、どちらか一方を選ぶのではありません。
まず記事を届け、その先で読者との関係を育てる。
両方を考えるための視点として、本書を使いたいと思います。
Daquo Lab.で、この本をどう使うか
このBookNoteは、Theme #03「ブログ・SNS運用」の参考記事として使います。
Theme #03では、本から学んだ「伝える・届ける・メディアを育てる方法」を、Daquo Lab.のブログとSNSで試します。
ただし、最初から「ファンを増やす」という曖昧な目標にはしません。
読者との関係を、次の3段階に分けて確認します。
| 段階 | 確認したいこと | 主な指標 |
|---|---|---|
| 届く | 記事の存在を知り、訪れてもらえたか | 表示回数・クリック率・PV |
| 次を読む | 関連する記事にも興味を持ったか | 内部リンクのクリック・閲覧記事数 |
| 戻ってくる | 続きを読みたいと思ったか | 再訪・SNSのフォローや反応 |
これらの数字だけで、読者の信頼を正確に測ることはできません。
それでも、PVだけを見るより、読者が記事を読んだあとの動きを考えやすくなります。
今後は、BookNoteから関連するExperimentへの内部リンクを設置し、実際にクリックされるかを確認します。
また、記事の導入に「なぜこの方法を試したのか」という自分の体験を簡潔に入れ、読者の反応や記事の読まれ方に変化があるかも見ていきます。
一度に複数の要素を変えると、何が影響したのか分かりません。
現在の状態を記録したうえで、一つずつ変更し、結果を比べます。
本書の内容を正解として採用するのではなく、
「PVだけでなく、次も読みたいと思ってもらえる記事をつくれるか」
という仮説として検証していきます。
まとめ
『顧客の数だけ、見ればいい』から、Daquo Lab.のブログ・SNS運用へ取り入れたいのは次の3つです。
- 一度訪れた人と、信頼して戻ってくる人を分けて考える
- すべての人に届けようとせず、価値を感じる読者を明確にする
- 結論だけでなく、そこへ至った過程を伝える
PVや表示回数は、記事が届いているかを知るために必要です。
しかし、それだけでは、読者が次の記事も読みたいと思ったかまでは分かりません。
まず届ける。
次に、関連する記事を読んでもらう。
そして、Experimentの続きが気になり、もう一度訪れてもらう。
その積み重ねによって、Daquo Lab.というメディアが少しずつ育っていくのだと思います。
メディアを育てるとは、見られた回数を増やすことだけではなく、「次も読みたい」と思ってくれる人を増やすことです。
この記事で紹介した内容は、本書から得られる学びの一部です。ブログやSNSを運営している方は、ご自身が増やしたいのはアクセスなのか、その先の読者との関係なのかを考えながら読んでみてください。
Daquo Lab.では、結論だけでなく、問題を感じた理由、10日間の記録、そこから見えた原因候補まで公開しています。
実験を始める前の過程をまとめた記事です。


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