「やる気が出たら始める」では、いつまでも始められない|『「後回し」にしない技術』に学ぶ3つの方法
やりたいことは決まっている。
必要性も理解している。
それなのに、いざ始めようとすると「今日は時間がない」「もう少し調べてからにしよう」と考え、先延ばしにしてしまう。
これは、以前の私が何度も繰り返してきたことです。
新しいことを始めようと決心したときは、「今度こそやる」と思っています。しかし、実際に行動へ移す段階になると、明日でもよい理由が次々と浮かんできます。
そして、始めないまま時間がたち、最後にはやろうとしていたこと自体がなくなってしまいます。
そんな自分を変えたいと思って読んだのが、イ・ミンギュ著『「後回し」にしない技術』でした。
本書を読んで気づいたのは、行動できない原因を、やる気や意思の弱さだけに求める必要はないということです。
目標を達成するまでの過程を考え、最初の行動を小さくし、始める期限を決める。
行動しやすい状態を先につくれば、やる気が十分でない日でも最初の一歩を踏み出しやすくなります。
この記事では、本書から実際に使いたいと感じた次の3つを記録します。
- 成果は能力だけでなく、実際に行動した量にも左右される
- 成功した姿だけでなく、達成までの過程と障害を考える
- 最初の行動を小さくし、始める期限を決める
つまりは最初の一歩を踏み出の締切では現時点から締め切りまでの時間が長く設定されることが多くなります。
この本を読んだ理由
この本を読んだ当時、私はブログを始めたばかりでした。
ブログを続け、将来的には収益につなげたいという目標はありました。
一方で、仕事が終わったあとは疲れており、記事を書こうと思っても、なかなかパソコンを開けません。
「今日は疲れているから、明日にしよう」
「もう少し情報を集めてから書こう」
「まとまった時間が取れる休日に始めよう」
そのときは、どれももっともらしい理由に感じます。
しかし、明日になれば、また別の理由が生まれます。
私は、行動できない原因を「自分は意思が弱いから」「本気度が足りないから」と考えていました。
本書では、実行力を性格や才能だけで決まるものではなく、方法を学び、繰り返すことで高められるものとして扱っています。
この考えに触れたことで、行動できない自分を責めるのではなく、行動を始めやすくする方法を考えてみようと思いました。
この本から実際に使いたい3つのこと
1.成果は能力だけでなく、実際に行動した量にも左右される
本書では、成果は「力量」と「実行力」の掛け合わせで決まると説明されています。
どれだけ優れた知識やアイデアを持っていても、実際に行動しなければ、成果にはつながりません。
反対に、最初から高い能力がなくても、実際に試し、失敗から学び、改善を重ねれば、少しずつ前へ進めます。
当時の私は、何かを始める前に「もっとよい方法があるのではないか」「失敗する可能性を見落としていないか」と考えすぎることがありました。
事前に調べることは必要です。
しかし、始める前に分かることには限界があります。
実際に行動して初めて、次のようなことが見えてきます。
- どこが難しいのか
- 自分には何が不足しているのか
- 想定した方法が使えるのか
- 何を学び直す必要があるのか
- 次に何を改善すればよいのか
ブログも同じでした。
記事の書き方やSEOについて学び続けても、実際に記事を公開しなければ、読者がどこに興味を持つのかは分かりません。
最初から正しい方法を選ぶことよりも、小さく始め、結果を見て修正する。
この考え方は、現在のDaquo Lab.にもつながっています。
本で読んだ方法が正しいかどうかを考え続けるのではなく、実際の仕事で試し、記録から判断する。
行動は、成果を生むためだけでなく、次に必要な情報を得るためにも必要です。
2.成功した姿だけでなく、達成までの過程と障害を考える
目標を達成する方法として、成功した自分の姿を鮮明に思い描くことがあります。
理想の姿を考えることは、行動する理由を確認し、最初の一歩を踏み出す助けになります。
一方、本書では、成功した姿だけをイメージすることの限界も説明されています。
理想の未来だけを考えていると、実際に問題が起きたときに、「こんなはずではなかった」と感じてしまうからです。
目標を達成するまでには、予定どおり進まないことがあります。
仕事が忙しくなる。必要な時間を確保できない。想定より難しい。途中で興味や優先順位が変わる。
このような障害を事前に考えておけば、実際に起きたときも、計画そのものを諦めずに対応できます。
本書では、目標だけでなく、達成までの行動や起こり得る障害を考える「プロセスの視覚化」が紹介されています。
例えば、ブログを継続する場合なら、記事を公開した状態だけでなく、そこまでに必要な過程を考えます。
- テーマを決める
- 必要な情報を集める
- 構成を作る
- 本文を書く
- 内容を見直す
- サムネイルを作る
- WordPressへ入稿する
- 公開後の反応を確認する
さらに、「仕事が忙しくて書けない」「調査に時間を使いすぎる」「文章を直し続けて公開できない」といった障害も想定します。
目標を行動へ変えるには、理想を思い描くだけでなく、そこまでに必要な作業と、止まりそうな場所を見える状態にする必要があります。
3.最初の行動を小さくし、始める期限を決める
やらなければならないと分かっていても、仕事が大きく見えると、取りかかること自体が負担になります。
「記事を一本書く」
「報告資料を完成させる」
「新しい企画を考える」
このような目標は、完了した状態は分かりますが、最初に何をすればよいのかが曖昧です。
そこで本書では、最初の行動を小さくする方法が紹介されています。
ブログを書くなら、最初の行動は「記事を完成させる」ではありません。
- パソコンを開く
- WordPressの編集画面を開く
- 仮のタイトルを一行書く
- 見出しを一つ作る
この程度まで小さくします。
私はブログを書く気になれないとき、「まずパソコンを開き、編集画面を表示する」ことを最初の目標にしていました。
編集画面を開いても、記事を書き続ける義務はありません。
それでも、画面を開けば一行だけ書こうと思うことがあります。一行書くと、もう少し続けられることもあります。
重要なのは、最初から最後までやり切ろうとしないことです。
動き始めるまでの負担を小さくし、最初の一歩だけを実行します。
完了期限だけでなく、開始期限を決める
本書からもう一つ使いたいと感じたのが、「開始デッドライン」です。
一般的な締め切りは、「いつまでに仕事を完了するか」を示します。
しかし、完了期限だけでは、いつ始めるかは決まりません。
締め切りまで時間があると、「まだ間に合う」「今日はほかの仕事を優先しよう」と考え、着手を後回しにしてしまいます。
開始デッドラインは、
遅くとも、いつまでに最初の行動を始めるか
を決める期限です。
例えば、金曜日までに資料を完成させるなら、「火曜日の午前10時までに構成案を作り始める」と決めます。
このときも、開始する仕事を小さくします。
「資料作成を始める」ではなく、「新しいファイルを作り、見出しを3つ書く」と決めたほうが、実際に着手しやすくなります。
完了する期限と、始める期限を分ける。
さらに、始める行動を具体的にする。
この二つを組み合わせることで、「まだ間に合う」と考え続け、締め切り直前まで着手できない状態を防ぎやすくなります。
当時、この本を読んで試したこと
この本を読んだ当時、私はブログの目標を公開し、そこから必要な記事数を逆算しました。
当時設定したのは、2027年末までにブログ収益を月25万円にし、そのために250記事を公開するという目標です。
さらに、必要な記事数から逆算し、月7記事を投稿しようと考えました。かなり無茶な目標です。
目標を公開すれば、行動を続ける強制力になる。
達成期限から必要な記事数を逆算すれば、迷わず行動できる。
当時はそう考えていました。
しかし、その後、ブログのコンセプトや記事の作り方は変わりました。
現在のDaquo Lab.では、記事数を増やすことよりも、本から得た知識を実際に試し、記録と考察を残すことを重視しています。
一つのExperimentには、事前の記事、実践記録、振り返りが必要です。月7記事という数字だけを優先すると、一つひとつの実験や考察が浅くなる可能性があります。
公開宣言や逆算によって目標を数字へ落とし込んだことには意味がありました。
一方で、数字を決めるだけでは、その目標が自分の目的に合っているかまでは分かりません。
当時の目標を見直したことは、計画に失敗したということではありません。
実際に行動したことで、自分が作りたいブログや、読者へ届けたい価値が明確になり、目標そのものを修正できたと考えています。
この本を読んで変わった行動の見方
以前の私は、行動できないときに、「やる気が足りない」「自分は意思が弱い」と考えていました。
本書を読んでからは、行動できない原因を、自分の性格だけに求めなくなりました。
行動できないときには、次のように考えられます。
- 何から始めるか決まっていない
- 最初の行動が大きすぎる
- 始める期限が決まっていない
- 達成までの過程が見えていない
- 途中で起こる障害を想定していない
- その目標を達成する理由が弱くなっている
行動できないのは、必ずしも意思が弱いからではありません。
始めるための条件が整っていない可能性があります。
また、実行することは、最初に決めた計画を守り続けることとも違います。
実際に行動すれば、計画時には分からなかった問題が見つかります。目的に合っていないと分かれば、方法や目標を変える必要もあります。
行動とは、正解を実行することではなく、正解に近づくための情報を得ることでもあります。
この考え方は、本を読んで終わらず、実際に試して判断するDaquo Lab.の土台になっています。
今の自分から見た、この本の使いどころと限界
現在も、最初の行動を小さくする方法と、開始デッドラインは使いやすいと考えています。
特に、資料作成や記事執筆など、着手前の心理的負担が大きい仕事には有効です。
「完成させる」ではなく、「ファイルを開いて見出しを書く」まで小さくすれば、忙しい日でも始めやすくなります。
一方、逆算スケジューリングについては、実際に試した結果、私の仕事にはそのままでは合いませんでした。
研究開発の仕事では、実験結果によって次の行動が変わります。途中で新しい依頼や会議が入り、予定していた作業時間が失われることもあります。
先の行動を細かく決めても、前提条件が変われば、スケジュールを何度も作り直さなければなりません。
私の場合、詳細な逆算計画を守ろうとすると、計画から遅れたことへの負担が増え、かえって仕事を進めにくくなりました。
ただし、逆算して考えることが、すべて無駄だったわけではありません。
- いつまでに何を完成させるか
- どの段階で判断が必要か
- 最初に確認すべき不確実性は何か
- 遅くとも、いつまでに始める必要があるか
この程度まで大きな節目を確認することには意味があります。
私の仕事に合わなかったのは、目標から考えることではなく、変化の多い仕事を細かな予定へ固定することでした。
本の方法をそのまま使うのではなく、自分の仕事の特徴に合わせて、残す部分と変える部分を選ぶ必要があります。
Daquo Lab.で、この本をどう使うか
この本は、First Taskの参考記事として使えます。
First Taskは、一日の最初に、最も重要な仕事へ着手する方法です。
一方、本書の開始デッドラインと行動の細分化は、「重要な仕事だと分かっていても始められない」という問題への対策になります。
組み合わせると、次のように整理できます。
- First Taskで、最初に取り組む仕事を決める
- 開始デッドラインで、始める時刻を決める
- 行動を細分化し、最初の一歩を具体的にする
ただし、このBOOK NOTEだけを根拠に、実行力が高まったと判断することはできません。
当時、ブログの編集画面を開く方法や目標の公開を試しましたが、着手率や継続率を記録していなかったからです。
今後、タスクの持ち越しや着手の遅れがボトルネックになった場合に、開始デッドラインと最初の行動の細分化をExperimentの候補にします。
まとめ
『「後回し」にしない技術』から、実際に使いたいと感じたのは次の3つです。
- 能力やアイデアだけでなく、実際に行動することを重視する
- 成功した姿だけでなく、達成までの過程と障害を考える
- 最初の行動を小さくし、始める期限を決める
行動できないときに必要なのは、やる気を待つことではなく、今すぐできる最初の一歩を決めること。
大きな目標を、そのまま実行しようとすると、最初の一歩も大きく見えてしまいます。
まずは、仕事を始められる大きさまで小さくする。
そして、完了期限だけでなく、いつ始めるかを決める。
実際に行動すれば、始める前には分からなかった問題や、自分に合わない方法も見えてきます。
私自身、当時は逆算スケジューリングを強く勧めていましたが、実際に試したことで、変化の多い自分の仕事には細かな逆算計画が合わないと分かりました。
それでも、始める期限を決め、最初の行動を小さくする方法は、現在の仕事にも取り入れられます。
本に書かれた方法を、そのまま正解とするのではない。
実際に試し、自分の仕事に合う部分だけを残していく。
この本は、行動を始める方法だけでなく、行動しながら自分に合う方法を見つけることの大切さも教えてくれました。
この記事で紹介した内容は、本書から得られる学びの一部です。気になった方は、ぜひご自身の仕事や生活と照らし合わせながら読んでみてください。
では、私が仕事を時間内に終えられない原因は、本当に「着手の遅れ」なのでしょうか。まずは10日間、自分の働き方を記録し、重要な仕事へ使った時間や持ち越し、割り込みを調べました。


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